空気弁の作り方

国鉄の制式蒸気機関車のシリンダー部にある空気弁は、キットではプレスで表現されることが多いですが、プレス表現ですと実車のようなシャープな形がどうしても出ないため、市販されているロストパーツで置き換える方も多いかと思います。

入手が面倒なのと高価なためロストパーツを使わずになんとかならないかと、スクラッチビルドをやる私としてはいろいろ試行錯誤しまして、小さな穴をあけて作るより、打刻して作るのが一番手間がかからずきれいにできるのではないかと言う結論に達しました。いろいろな素材を試した結果、打刻する素材には、ドリルロッド(幸い 2.4φのちょうどよいサイズのものが市販されています)を、打刻される側、つまり空気弁の素材には洋白板を使用するのが一番良い結果が得られました。

市販のロストパーツほどの精密さは出せませんし、とても小さなパーツですが、自作する楽しみと満足感を十分に味わうことができます。


 

60度の線をケガキ 真鍮板のハギレに 60 度ずつ線をケガキ、中心に 2.4mm のドリルロッドを通す穴をあけ、ドリルロッドに溝を正確に切るためのガイドを作ります。
ドリルロッドに溝をつける 万力に 2.4φのドリルロッドをしっかりと固定し、作成したガイドをかぶせ、ガイドに沿って、糸鋸で溝を切ります。
溝を切った状態 ドリルロッドに溝を切ったところです。
刻印の準備 細いドリルロッドを直接ハンマーでたたきますと曲がってしまいますので、ドリルロッドを保持するホルダーを真鍮丸棒で作りました。真鍮丸棒にドリルロッドが 3mm ほど出る穴をあけました。

打刻の前に、 ドリルロッドは焼入れをし、打刻される側の 0.5mm の洋白板は焼きなましました。

刻印 ホルダーに収めたドリルロッドで洋白板を打刻し、適当な大きさに切り出します。
切り出しドリルレース 中心に0.5mmの穴をあけ、同じく0.5mmの洋白線を通して半田付け、ドリルレースしました。
洋白板を半田付け さらに、0.1mm 厚の洋白板を裏側に半田付けし、ドリルレースします。
最後にヤスリでバリを取って完成です。


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