ビューゲルの作り方

京都市電600型をスクラッチ工作と同時に、使用するビューゲルを自作しました。京都市電600型の工作記と内容がだぶりますが、その工程をこちらで紹介します。関西型、ピストン式ビューゲルの工作になりますが、関東型、コイル式(細いピアノ線などでのコイル自作が面倒ですが)でもほぼ同様の工程で作れると思います。


 

治具代わりにケント紙に型を描いて、マスキングテープで固定した洋白丸線を少量の半田で固定します。厚手の方眼紙があれば、型を楽に描くことができると思います。

写真上、ビューゲル上部枠を補強する梁は、0.3mmの洋白丸線にて、写真下、ビューゲル枠本体は、0.4mm 洋白丸線と集電部に 0.6/0.4mm の細密真鍮パイプを使用しました。

0.2mm 洋白丸線をU字型に曲げて、薄い紙を下に敷き、0.3mm洋白丸線で作った梁部分と高さを揃えてハンダ付け、ビューゲルを上げ下げする際のひもを通す部分を作ります。

この部分、実機は三角形なのですが気がついたときには時すでに遅しでした。

中央部補強梁は、0.3mm 洋白丸線を、手すりを曲げる際に使う治具を使用して曲げ、接合部分をヤスリで細く平らにし、2本合わせてハンダ付け。
ビューゲル本体を慎重に折り曲げ、上部梁を固定します。
中央部の梁を折り曲げ角度を調節して切断、固定します。
下部フレームは、約0.7mm厚の洋白板から切り出しました。実機は、上部フレームが一番下まで延びているのですが、太くなってしまうので適当なところで切断しました。

ピストン棒は、フレーム上部に 0.5mm の穴を慎重にあけ、0.6/0.4mm 真鍮パイプを端部にかませた0.4mm洋白丸線としました。

ヒンジ部には、0.4mm の穴をあけました。

ピストン本体は、1.8/1.5mm の真鍮パイプに 0.25mm 真鍮板でフタをして、ピストン棒を通し、さらにピストン支持棒に0.4mm 洋白丸線を通しました。支持棒とピストン棒がパイプ内で干渉するためビューゲルの位置を任意に固定することができるようになります。

集電対応とするには、ピストン内部にスプリング(押しバネ)を入れる必要がありますが、今回は任意の位置に固定できるディスプレー用として作っています。

ビューゲル基部は、手元にあった適当なインチサイズのチャネル材を整形、細く切った0.35mm 真鍮板に固定しました。

ピストンを支持部は、実機と同じ形にするのは無理と割り切り、折り曲げた0.4mm 洋白丸線に 0.25mm 真鍮板をハンダ付け、整形して、0.4mm の穴をあけました。
組み上げて完成です。

やってみると思ったより簡単にできますので、ぜひお試しください。パンタグラフ自作よりは、はるかに楽です。


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