動輪ギア交換、位相合わせ

蒸気機関車の動力交換やサウンドコンタクト挿入などの加工を行う際には、動輪を一度抜いて、また元に戻すと言った作業が必要になることがあります。元に戻す際に問題になるのが、動輪の左右で90度異なるロッドピンの位置です。これを正確に合わせませんと動輪が回らなくなります。自作ジグを使用する方法もありますが、私は手っ取り早く市販のツールを使用して行っています。

なお、ロッドピンはインチサイズとミリサイズ規格がありますので、ツールを購入する際にはどちらをサポートしているか確認してください。


 

アメリカ NWSL 社の動輪用工具です。左は位相合わせ用の Quaterer、右は動輪挿抜用のThe Puller です。どちらもエコーモデルにて購入可能と聞きました。

Quaterer には安価なモデルもありますが、こちらのものはかなりしっかりした作りでインチ、ミリサイズ両方のロッドピンをサポートしています。仕掛かりですが、C53 の工作記事中で紹介しましたが、120度位相にも対応するように改造してあります。

こちらは同じくNWSL社の簡易プレス機 The Sensipress+ です。

私は、The Puller の箱だけ使用して、このツールで動輪の挿抜を行っています。

動輪のギア交換を行います。まずは片側の動輪を抜きます。

プレスで軽く力を加えるだけで簡単に抜けます。

続いてギアを抜きます。これも簡単に抜けます。
動輪軸にはギアが抜けないようにローレット処理がなされていますので、その部分に嫌気性の接着剤(ロックタイト)を塗布して、新しいギアをローレット部分に合わせて挿入します。
位相合わせを行います。あらかじめロッドピンの穴にアダプターをねじ込み、動輪軸に嫌気性接着剤を軽く塗布後、抜いた動輪を軽くはめます。

正確に90度の位相を付けます。この際、動輪の左右を間違わないように注意が必要です。片側は絶縁されていますので、他の動輪に合わせて位相合わせをします。

位置が決まりましたら、ツールごと圧力を加えて動輪を挿入します。軽い力で入って行きますがあまりいっぺんに力を加えず、動輪位置を確かめながら行います。
NMRA のゲージで正確な位置に動輪を挿入し作業完了です。

車輪の挿抜を行う時は必ずゲージを使用して正しい位置に車輪を合わせましょう。


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