叡山電鉄の名車デナ21の竣工当時をスクラッチ工作しました
各年代において数々の仕様変更、マイナーチェンジが行われた
車輌ですが、竣工当時は出力も小さく集電装置はダブルポールでした。
塗装もツートンカラーではなく緑1色、数社からキットも出た車輌ですが、
おなじみのデナ21の姿とはかなり違った印象での仕上がりになりました。
1輌物の上、車体自体が短く窓数も少ないのでスクラッチ工作入門にも
いい題材だと思います。スクラッチ工作に興味のある方の参考になれば幸いです。
京都電燈、叡山電鉄課車輌をプロトタイプにしていますが、電制付き
同系列の車輌がデナ120形として鞍馬電気鉄道で活躍しました。
この車輌の工作記は当初車輌名を伏せて開始しました。
妻板を作った時点で車輌名を当ててくださった方が多数
いらっしゃったのには正直驚きました。特徴ある前面妻板
ですが、作っている本人には当てられなかっただろうなと
思います。みなさん、恐れ入りました!
2004年11月12日
まずはいつものように妻板のゲージを作り、必要な真鍮板のサイズを出したうえ試作を行いました。ゲージは当然のことながら、真鍮板の板厚を考慮に入れて作ります。車幅 - (板厚 x 2) がゲージの幅になります。 しょっちゅうやっていることですので、ほとんど直感でサイズを出せますので、一発で満足の行く物ができました。 |
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2004年11月13日
いつものように厚さ約 0.4mm の真鍮板から妻板を切り出し、窓、乗務員扉、その他をけがきました。窓のカーブは、これまたいつものように真鍮板の切れ端からゲージを作りけがきました。 続いて、窓の穴あけ時に糸のこの刃を通す穴、標識灯取り付け穴などをあけました。 プロトタイプの車体すそにはリベットがあります。リベット打ち出し器を使うことも考え試してみましたが、折り曲げ時にどうしてもリベットをつぶしてしまい、あまりにもオーバースケールのリベットになってしまうため、線材を埋め込んでリベットを表現することにし、妻板すそに 0.3mm のキリで穴をあけました。 |
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リベットを含めた穴あけが終わったところで、ヤスリをかけてバリを取り、折り曲げました。折り曲げ位置と窓、扉の位置が近いので、折り曲げてから、窓、扉を抜きます。 | |
窓、乗務員扉を糸のこで抜きました。ヤスリによる整形はまだしていません。 | |
2004年11月14日
窓、乗務員扉をヤスリできれいに整形したら、柔らかい雑誌などの上で丸棒に力を加え、妻板に自然なRを付けます。 |
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Rを付け終わった妻板です。 |
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