京福デナ500
(元阪神831形)

完成しました

生地(塗装前)完成写真

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デナ21の事故、廃車に伴う車輌不足を補うと共に、
車輌不燃化対策のためデナ1の置き換え用に
阪神電気鉄道から譲渡されたデナ500形(元阪神831形)の
譲渡当時の姿をスクラッチ工作しました。

譲渡にあたってパンタグラフからポールへの換装が
行われましたが、バンドン密着連結器と乗降扉下のステップは
阪神当時のまま、車番、社銘表記は手書きで登場しました。

あまり模型の世界では見かけないのは、
先に作りましたデナ21のダブルボール時代と
共通するところです。

工作のポイントとしては、特徴ある車体前面の角、
リベット付きの段付きシル、ヘッダー、
強く丸みを帯びた屋根と雨どいと言った
ところだと思います。デナ21より少々難物でした。


2005年2月10日

京阪和歌山100の採寸をしていたはずなのですが、ついついデナ500前面の試作を始めてしまいました。これでまた C53 をはじめとした蒸気はどうしたの状態がまたまた長く続きそう。

特徴ある前面の角は、真鍮板を折り曲げて角を削ってみましたが、薄い板を折り曲げるのが一番自然に見えるという結論にとりあえず到達しました。明日以降、2枚の真鍮板を真鍮角材に貼り付けて角を削る、と言う方法を試してみて、効果的かつきれいに仕上がる方法を選ぶつもりです。

いつも車体工作に使う真鍮板よりも 0.1mm 以上薄いですが、0.010 インチ (約 0.25mm)の真鍮板を車体用素材に使用することにしました。写真はその試作品。

車体全体に及ぶリベットは、リベット打ち出し機と、0.3mm 真鍮線の植え込みを試した結果、デナ21同様植え込みを行うことにしました。薄い素材を使いますので、リベット用穴あけは楽になりますが、糸のこで窓穴を開けるのはより慎重に行う必要があります。

折り曲げ部はアクリルカッターで筋を入れて折り曲げています。もう少し角の折り曲げ部分の幅を狭くしたほうが雰囲気が出ると思いますが、折り曲げで角を表現する場合、これ以上狭めるのはかなり厳しいです。0.2mm ほど狭めてみるつもりでいますが、うまく行けばいいな〜

妻板ケガキ 2005年2月12日

いくつかの試作を行った結果、強度的に安心して使える 0.015インチ (約 0.38mm) 厚の真鍮板を車体素材に試用することにしました。懸案の前面角の表現は、1箇所だけ折り曲げ、折り曲げ部をヤスリで削り込み裏打ちすることにし、妻板裏側折り曲げ部には筋彫りを入れておきました(写真右)。

素材、工法が決まったところで早速妻板のケガキを行いました。リベットの数が多いため、かなり時間がかかりました。模型ではスペース不足やリベット自体がオーバースケールのためのため、乗降ドア周りのリベットの表現や全体的なリベットの数は実車どおりにはできません。実写の雰囲気が出るように工夫してリベット位置をケガキました。

ざっと計算したところ全部で 3000個ほどのリベット穴をあける必要がありそうです。おまけに一部は、段付きウインドヘッダーやシルの側にありかなり面倒です。苦労するだけ出来上がったときの喜びはひとしおではありますが、かなり憂鬱。

貫通扉の表現ですが、ドア自体は作らず、ホロ枠取付準備状態の表現と一緒に真鍮板を貫通部に貼り付け、ドアを表現してみようと思います。うまく行くかどうかは、リベットの穴をすべてあけ、妻板を曲げてからのお楽しみ。

明日以降、リベット穴あけにいそしみます。

妻板折り曲げ 2005年2月13日

作り始めたはいいものの工法がうまく行かない場合のリスクも考えて、とりあえず片側の妻板だけ工作を続けることにしました。

リベット穴をあけ、折り曲げた後、窓穴を糸のこであけヤスリで整形しました。この状態ではまだとてもデナ500には見えません。

気をつけて作業をしているのですが、0.3mm のドリル刃(ルーマー)を数本折ってしまいました。車体のリベット穴あけが憂鬱になります。手持ちのドリル刃があまりないので、途中で作業が止まるかもしれません。いつもお世話になってる模型屋さんは冬休みなので注文はちょっと先になりそうです。どなたかドリル刃、寄付してくれ〜!

リベット植え込み ウィンドウシル、ヘッダー部と、車体側板との継ぎ目部分の整形作業に支障のある部分を除いたリベットを植え込みました。 0.3mm 真鍮線を使用しています。

妻板裏側のリベットは後ほどの工作の支障になりますのですべてヤスリできれいに削り取りました。

さらに妻板を折り曲げた部分裏側に 0.5mm 真鍮角線を半田付けし補強をしました。

角の整形 前面角をヤスリで削りました。もう少し削り込んだほうが寸法的には正確なのですが、ウィンドウシル、ヘッダーを取り付けると角部分が強調されますので、この程度の削りこみに押さえておきました。

さらに貫通扉の窓枠を 0.25mm 真鍮板で作りました。

妻板裏側 雑な工作がばれてしまうので舞台裏はあまり見せたくないのですが、妻板裏側です。リベットは削り取り、折り曲げ部に補強を施してあります。

今日は。長い時間かけて妻板1枚がここまでの工作。穴あけで指も痛くなりました。わかってはいましたが、あらためて工作してみると、やはりリベットに工作時間をかなり取られます。

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