京阪和歌山支店 100 風の
自由形路面電車

 その8

屋根曲げ 0.35mm 厚の真鍮板から屋根板を切り出し、焼きなましを行ってから、太い丸棒と細い丸棒を使って時間をゆっくりとかけて屋根を曲げました。曲げ方の方法は基本的に妻板の丸めと同じです。

形が決まったところで焼きを入れ、ポールを差し込む穴をあけました。

おでこ部分とランボードがありませんが、いい雰囲気になってきました。

真鍮ブロック切り出し 2005年3月7日

真鍮ブロックからおでこ部分を切り出し、あらかじめ作っておいた屋根先端用ゲージに半田付けし、グラインダーでゲージのカーブにあわせて大まかに削り出しました。

屋根板と接する面は正確に平面、直角を出してください。私は真鍮ブロックの削り出しをフライス盤でやってしまいますので簡単に出来ますが、真鍮は大変加工しやすい金属ですので定盤とヤスリでもさほど時間はかかりません。

屋根板とおでこ部分を半田付けします。真鍮ブロックはかなり熱くなりますので、Cクランプできちんと固定して、屋根板を押し付けるようにしながら半田付けします。

私は、真鍮ブロックのおでこ部分と屋根板の半田付けには、50/50の半田を使用しています。通常の半田(60/40)のものよりも融点が高いため、熱したあと半田ごてを離してからすぐに固着します。また、あとからディテールを付ける場合に、半田が融けてしまうことが起こりにくいと言う利点もあります。高温で融解する 50/50 の半田は、通常の半田とかなり性質が異なりますので、いきなり使う前にいろいろ試して性質を把握してから使用しましょう。

両側のおでこ部分を半田付けしました。

屋根板を車体と別に工作するこの方法は、車体の幅よりも屋根の幅を広くすることができ、旧型車の布張り屋根の表現にぴったりです。私は京都電燈デナ21で初めてこの方法を試してみてすっかり気に入りました。より高い工作精度が要求されますが、出来上がった時には苦労した以上の満足感を得られます。

このように試行錯誤を繰り返しながら、自分で工作方法を考えるのもスクラッチ工作の楽しさのひとつです。

2005年3月8日

グラインダーで屋根板の形状に合わせて削ります。この段階をドレメルなどのモーターツールで作業する方も多いかと思います。好みの問題もありますので、工作しやすい方法で行いましょう。粗目のヤスリだけだとかなり時間がかかりますので、モーターツール、あるいは、グラインダーはあった方が便利です。

続いて粗目のヤスリで自分の持っている屋根おでこ部分のイメージに合わせて削り込みます。屋根板との接合面は、屋根板を削ってしまわないように注意を払ってください。いらない真鍮板の薄板を屋根板に当てながら削ると、余計なキズを屋根板に付ける心配がありません。

形がある程度出来上がったら、少しずつヤスリ目を細かくして形を整えて行きます。

このあと紙ヤスリを使って整形しますが、この段階でおでこ部分の形が決定しますので、慎重に納得いく形になるように時間をかけて作業しましょう。

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